
通信建設業界のクローズドなスキルセットを再構築。ファネル設計と転換率可視化で成果を最大化するセールスイネーブラーの戦略
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ナカヤマ
ナカヤマ
鹿児島大学出身。前職では通信建設業で施工管理・設計・営業を担当。北陸エリアの5G基地局置局業務では、3か月で契約率98%を達成した。置局業務を通じ、土地や建物のオーナーと交渉し、信頼関係を築いたうえで契約をまとめる経験を重ねる中で、営業としてのスキルも磨くキャリアに挑戦するべくクーリエにジョイン。現在は「みんなの介護」カスタマーサクセスチームでセールスイネーブルメントを担当している。KPI可視化や行動計画の仕組み化により、ナーチャリングの重要指数を1.5倍に引き上げ、成約率も75%から98%へ大幅改善。再現性ある成果創出の仕組みづくりに情熱を注いでいる。
通信建設業のフィールドから見つけた「人と話して成果を出す」やりがい
前職では何をされていましたか?
前職では携帯電話基地局の施工管理・設計・置局業務を担当していました。主に電波状況をもとに設置候補地を選定し、土地や建物のオーナー様との交渉、契約締結から施工の進行管理まで一貫して対応していたんです。特に北陸エリアにおける5G基地局の置局業務では、3か月で契約率98%を達成することができました。
当時、5G展開の最終局面で、エリア拡大のスピードが厳しく求められる状況でした。その中で地域特性に応じたオーナーアプローチ手法を工夫し、信頼関係構築を最優先に対応しました。また、設計・施工チームとの連携を密にし、候補地の選定精度や提案のスピードを高めることで交渉を円滑に進められたことが成功の要因だったと思います。
社内で2位、客先(携帯キャリア)内でも上位に入る成果として、「スピードと確実性を両立した」と高く評価していただきました。このような経験が、自分の業務に対する自信と今後へのモチベーションにつながっていますね。

前職では営業としてどのような課題を感じていましたか?
通信建設業界はインフラを支える重要な分野ではあるものの、非常にニッチで専門性が限定されやすく、キャリアの選択肢が狭まりがちな点に課題を感じていました。特に5G以降は工事規模の縮小や設備の小型化が進み、今後の成長余地や市場の広がりに対して不安を抱くようになっていたんです。

このままでは長期的に通用するスキルや経験が蓄積しづらいと感じ、転職を考えるきっかけになりました。またニッチな業界ということもあり、自分の市場価値という観点でも、将来的なキャリアプランを描きにくいという課題も感じていましたね。
営業スキルをさらに磨きたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
置局業務を通じて、土地や建物のオーナーと直接交渉し、信頼関係を築いたうえで契約をまとめる経験を重ねる中で、「人と話して成果を出す」ことに強いやりがいと楽しさを感じました。次第に、単なる技術職にとどまらず、営業としてのスキルを磨き、もっと多くの人に価値を届けられるようなキャリアに挑戦したいと考えるようになったんです。
そうした中で出会ったのがクーリエでした。特に、データドリブンな営業スタイルに大きな魅力を感じました。属人的な感覚や経験だけに頼るのではなく、数値や仮説に基づいて戦略を立て、顧客に価値提供する姿勢に強く共感しました。営業としてのスキルを磨きつつ、再現性ある仕組みづくりにも携われる環境で、より広い視野と高い成果を追求したいと思い、入社を決意しました。
データドリブンな営業支援で組織全体の成果を最大化
クーリエではどのような業務を担当されているのですか?
現在は「みんなの介護」のカスタマーサクセスチームで、営業活動の成果最大化を支援するセールスイネーブルメントを担当しています。下の図のように、カスタマーサクセスには「イネーブルメント」「マネジメント」「スペシャリスト」の3つの役割があり、セールスイネーブルメントはファーストパーティデータをもとに再現性の高い仕組み化を行い、継続的に組織の成果を上げる役目を追っています。

具体的には、CSメンバーがより成果を出せるように、営業プロセスの設計、KPIの可視化、データ分析を通じたボトルネックの特定と改善などを行っています。
現場の声を拾い上げ、仕組みとして再現性を持って成果につなげられるような仕掛けをつくるのが私の役割です。お客様への価値提供を最大化しながら、組織全体の営業パフォーマンスを向上させることが目標ですね。
セールスイネーブルメントでどのような成果を上げられましたか?
営業組織の成果をより安定的・再現性高く出せるようにするため、KPIの可視化と、行動計画の仕組みづくりに取り組みました。
特に注力したのは、リード獲得からナーチャリング、成約に至るまでの各転換率を可視化し、個人・チームごとのボトルネックを明確にすることです。そこで、以下のようにKPIを設定する手法の変更を行いました。
KPI設定手法の変更
以前の方法:
・カスタマーの温度感を測る軸の測定値それぞれの実数を追跡
改善後の方法:
・カスタマーサクセスの事業全体の流れを体系的に整理
・各ステップごとの転換率をより細やかに可視化
・メンバーごとの課題を明確化
例えば、ナーチャリングのスコアが低いメンバーをデータで特定し、そこに集中してロープレを実施するなど、ピンポイントでの支援ができる体制を整えました。
数値面の成果としては、1月から3月にかけてナーチャリングスコアを1.5倍まで引き上げ、成約数目標に対する達成率も12月から3月までに1.3倍まで大幅に改善することができました。組織全体の行動の質・量がバランスよく底上げされたことを実感しています。
KPIの可視化によって、チームにどのような変化がありましたか?
最も大きな変化としては、KPIが”やらされる数字”ではなく、”自分で改善できる指標”としてチームに浸透したことですね。各メンバーが自分のどの指標が弱いのか、どこに注力すべきかを理解し、主体的に行動改善できるようになりました。
また、リーダー向けには、朝昼で当日の成約見込みを確認し、その後の行動計画を立てられるような予測指標とフォーマットを設計しました。当日、メンバーがどこから成約を出したらいいのか、どこにもっと行動を注力すべきかを見える化することで行動の促進につながりました。
これにより、リアルタイムでチーム全体が動きを修正しながら、成果を最大化する仕組みへと進化しました。ロープレ対象の選定も、感覚ではなく納得感あるデータベースに基づいたものに変化し、業務中に行動修正ができる体制となったことで、カスタマーの温度感の移行度合いの推測精度と実行力が大きく向上しました。
こうした仕組みづくりを通じて、「成果の再現性を高めるセールス組織」への土台づくりに貢献できたと感じています。
「仕組み」でチームの成長を支え、長期的な視野で事業に貢献したい
10valuesのなかで特に大切にしているものは何ですか?
特に大切にしているのは「長期的な視野に立った設計思想」です。これまでの自分は、目の前のタスクを着実にこなすことに集中するあまり、「なぜこの業務が必要なのか」「この仕事は誰の成果につながるのか」といった背景や目的にまで視点を広げることができていませんでした。
指示された業務を”終わらせること”がゴールになってしまい、その先にある本質的な成果や価値を見失っていたと感じています。その経験を通じて、今は「ただの作業者」ではなく、背景や目的を理解したうえで、より良い方法を設計・提案できる存在になりたいという想いが強くなりました。
チームや組織にとって意味のあるアウトプットを、短期的な成果だけでなく長期的な視点で生み出すという意識を、日々の仕事に落とし込むことを心がけています。
今後どのようなキャリアを目指していますか?
短期目標としては、担当領域の業務理解を深めることはもちろん、「なぜこの業務があるのか」「誰のために価値を出すのか」といった背景や目的を常に意識して動けることを目指しています。ただタスクをこなすだけではなく、自ら課題を見つけて仕組み化や改善提案ができる”考えて動く人材”へと進化したいですね。
中長期的には、リーダーやプロジェクトマネージャーとして、複数メンバーを巻き込みながら成果創出をリードできる存在になりたいと考えています。自分自身の成果にとどまらず、チームや組織全体にとって意味のある仕組み作りに携わり、再現性ある営業組織の成長を支えることが目標です。
そのために、データ分析やシステム運用など、より広い視点で業務を設計・実行できる力も身につけ、組織を横断して価値を発揮できる人材を目指していきます。変化のスピードが速い環境だからこそ、常に好奇心を持ち、前向きに変化を楽しみながら成長し続けたいと思っています。

セールスイネーブルメント職を目指す方へメッセージをお願いします
クーリエでは、ただ指示を待つのではなく、「自分で考えて動き、仕組みをつくる」ことが求められます。だからこそ、そんなスタンスを体現できる人材として周囲から頼られる存在になることが、私自身の目指すキャリアパスのひとつです。
クーリエに向いている人は、まず変化を前向きに楽しめる人だと思います。日々の業務や環境は常に進化しており、決まったルールの中で淡々と働くというよりも、自ら考えて行動し、改善や工夫を積み重ねられる柔軟さが求められます。
また、うまくいかないことがあったときに、それを”失敗”と捉えるのではなく、「どうすればもっとよくできるか?」と楽しみながら試行錯誤できる姿勢も大切です。言われたことだけをこなすのではなく、自分なりに考え抜いて動ける人は、クーリエで確実に力を発揮できると感じています。
「もっと成長したい」「手ごたえのある環境で挑戦したい」と感じている方にとって、クーリエは本当に面白い場所だと思います。自由度が高く、裁量も大きい分、自分次第でどこまでも挑戦できる環境があります。
最初から全部できる必要はありません。大事なのは、人を頼る勇気と、自分を信じて一歩踏み出す気持ちです。変化の多い環境ですが、その分だけ成長のスピードも速く、自分の可能性をどんどん広げていけるのがクーリエの魅力です。
失敗を恐れず、自分なりの挑戦を楽しめる人と、これからのクーリエを一緒につくっていきたいです!